水腎症

水腎症は腎臓でつくられた尿が尿管から膀胱へと流れにくくなり、腎臓の内部(腎盂・腎杯)に尿がたまっている状態をいいます。生まれつき水腎症になっていることもありますし、ごく軽症な尿のたまり生理的な範囲内で正常な人にも認められることがあります。成人の水腎症で最も多い泌尿器科的な原因は尿管結石で、次いで腫瘍、排尿機能の障害です。排尿機能の異常では尿が膀胱から出せず、満杯になった膀胱へ尿が流れないため左右両方が水腎症となることが特徴で、結石や腫瘍の場合には多くが左右どちらかであることが多く見られます。その他、外科や婦人科疾患など、泌尿器科以外の疾患によって尿が流れにくくなり水腎症となっていることもあります。

結石や腫瘍など、原因に対する治療が原則ですが、痛みを伴う場合は、尿管ステントや腎瘻(じんろう)によって、上流にたまった尿を応急的に腎盂から排出する手術・処置が必要になる場合があります。根本的な原因に対する治療が終了したら、原則として尿管ステントや腎瘻のない状態に戻って頂くことが可能です。