1年次(卒後3年目)
日本泌尿器科学会に専門医取得のための研修宣言を4月中に行い、大学での泌尿器科初期研修(1年間)を開始する。 尿路性器腫瘍と腎不全を中心に泌尿器科疾患の診断と治療を学ぶ。基本手術手技や周術期管理の習得に加えて患者さんの心理面に対する配慮や真摯な診療態度を身につけることを目標とする。
1)検査
- 尿検査、精液検査、腎・膀胱・前立腺超音波検査、直腸指診、泌尿生殖器の理学的検査、尿道膀胱内視鏡、膀胱内圧測定、括約筋筋電図、尿流量測定、尿路造影
2)病態と治療
- 前立腺肥大症、尿路結石、尿路感染症、神経因性膀胱、慢性腎不全、水腎症、腎細胞癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌
3)手技
- 導尿、尿道カテーテルの留置、膀胱洗浄、尿道ブジー、前立腺マッサージ、前立腺針生検、膀胱粘膜生検、陰嚢水腫穿刺、尿管ステント留置・交換、腎盂尿採取、 血液透析の穿刺、膀胱ろう・腎ろうカテーテル交換
4)手術の執刀
- 背面切開術、包皮環状切除術、精巣摘除術、精巣固定術、陰嚢水腫根治術、精管結さつ術、腎のう胞穿刺術、内尿道切開術、膀胱頚部切開術、 ESWL
5)手術の助手
- TUR-P 、 TURBT 、 TUL 、 PNL 、腹腔鏡下副腎摘除術、根治的腎摘除術、単純腎摘除術、後腹腔鏡下腎摘除術、根治的膀胱全摘除術、前立腺全摘除術、ブラッドアクセス造設術、 CAPD カテーテル留置術、人工血管留置術、膀胱ろう・腎ろう造設術、副甲状腺摘除術、膀胱尿管新吻合術、尿失禁防止術
2年次(卒後4年目)
基盤知識の集積、診断と治療技術(内視鏡的検査や基礎的手術の執刀能力)の習得。
1)以下の疾患の病態と治療法の理解:
- 副腎腫瘍、腎(良性)腫瘍、男性不妊症、勃起不全、副甲状腺機能亢進症、精巣腫瘍、陰茎癌、慢性前立腺炎、尿失禁、尿道下裂、膀胱尿管逆流症、停留精巣、尿路性器外傷、
2)以下の手術の執刀
- TUR-P 、 TUR-Bt 、 TUL 、ブラッドアクセス造設術、 CAPD カテーテル留置術、人工血管留置術、膀胱ろう・腎ろう造設術、膀胱尿管新吻合術、尿失禁防止術、高位精巣摘除術
3)以下の手術の介助
- 骨盤内リンパ節郭清術、生体腎移植術、腎採取術(献腎移植における)、後腹腔鏡下腎盂形成術、後腹腔鏡下腎部分切除術、根治的膀胱全摘・尿路変更術、前立腺全摘除術(陰茎海綿体神経移植)、尿道下裂根治術、精索静脈瘤根治術、腹腔鏡下リンパ節生検、骨盤内全摘除術
3年次(卒後5年目)
より専門的な診断・治療技術の習得と研鑽。
4年次(卒後6年目)
専門医試験の受験資格と後期研修終了時点で専門医資格取得。
5年次(卒後7年目以降)
より専門性の高い専門医の資格取得
大学院への進学
例)
- 内視鏡外科学会および日本 EE 学会による「腹腔鏡下手術技術認定」
- 透析専門医
- 腎移植認定医
専門医と認定医の取得に関して
泌尿器科専門医
- 泌尿器科専門医を取得するための研修期間は、卒後臨床研修(初期臨床研修) 2 年間+泌尿器科専門研修 4 年間の合計 6 年間とする。(細則第 8 条)
- 専門医(初回)の認定には、研修開始宣言から申請までに研修単位 100 単位以上の取得が必要である。
- 専門医資格試験申請時には、手術など経験した代表的症例をまとめた診療実績記録の提出、学会参加や卒後・生涯教育プログラム受講を証明した教育研修記録の提出が必要である。
透析専門医
- 日本内科学会および日本外科学会において定められたいずれかの認定医または、専門医、日本泌尿器科学会および日本小児科学会において定められたいずれかの専門医、もしくは日本麻酔学会において定められた指導医の資格を有し、臨床経験5年以上を有すること。
- 認定施設または教育関連施設において本会の専門医制度委員会の規定によって編成された研修カリキュラムに従い通算5年以上、もしくは本会の専門医制度委員会が認める外部団体主催の研修期間も含めて計5年以上、主として透析療法に関する臨床研修を行いかつ業績のあること。
- 学会出席ならびに業績について30単位を満たしていること。
- 申請時において、本会の会員歴5年以上、もしくは本会会員歴3年以上でかつ1)に記載されている他学会の会員歴を含めて5年以上であること。
日本臨床腎移植学会腎移植認定医
- 日本国の医師免許を有すること
- 卒後6年以上で日本内科学会認定内科医または総合内科専門医、日本小児科学会専門医、日本外科学会認定医、専門医または指導医、日本泌尿器科学会専門医のいずれかの資格を有すること
- 申請時において3年以上引き続いて日本臨床腎移植学会の会員であること
- 学術集会に1回以上の参加かつ学術集会教育セミナーに1回(2単位)以上の参加があること
- 外科系は通算3年以上臨床腎移植医療の外科的修練を、内科系は通算1年以上臨床腎移植医療の内科的修練を行い、必要な経験と学識技術を修得する
- 業績として臨床腎移植関連の学会・研究会の発表または論文または著書があること
- 医療倫理を尊守していること
日本移植学会移植認定医
移植認定医の認定を申請する者は、次の各項に定める資格、要件をすべて具えていなけれ ばならない。なお、移植認定医資格は臨床移植医(内科系・外科系等)および基礎移植医(病理 学・免疫学等)に対して認定される.
- 日本国の医師免許を有すること。
- 申請時において日本移植学会の会員であり、会費を完納していること。
- 移植医療に必要な経験と学識技術を修得し、臓器提供推進の重要性を理解し、かつ医療倫理を尊守していること。
- 臨床移植医の場合は、通算 3 年以上の移植医療の臨床修練を行っ ていること。
- 基礎移植医(病理学、免疫学)の場合は 3 年以上の研究歴を持つこと。
- 臨床移植医の場合 細則に定める移植症例の臨床経験および業績を必要とする。
- 基礎移植医(病理学、免疫学など)の場合
- 第一著者である論文または学会抄録 3 編以上。
- 5年以内に日本移植学会総会に1回以上の参加、かつ日本移植学会主催教育セミナーに、1 回以上の参加があること。
- 評議員または名誉会長、名誉会員、特別会員、特別功労会員 1 名による推薦。
日本EE学会腹腔鏡下手術技術認定
- 腹腔鏡下腎摘除術(腹腔鏡手術または後腹膜鏡手術、用手補助下を含む)または腹腔鏡下副腎摘除術(腹腔鏡手術または後腹膜鏡手術)の未編集ビデオ(コピー 3 本)。申請に際して提出するビデオは、申請者が術者として完遂した腹腔鏡下腎摘除術(腹腔鏡手術または後腹膜鏡手術、用手補助下を含む)または腹腔鏡下副腎摘除術(腹腔鏡手術または後腹膜鏡手術)で、トロカー留置から臓器遊離、止血確認まで、一時停止しない未編集ビデオとする。
- 申請者は、主たる術者として執刀した 20 例を手術実績を提出する。