教授あいさつ

ごあいさつ

令和3年8月から椎名浩昭前教授の後をうけ、島根大学医学部泌尿器科学講座を第4代教授として引き継がせて頂くことになりました。本講座は腎移植を含む泌尿器科を広くカバーした診療を担当し、地道で熱心な研究や教育により優れた泌尿器科医・移植医を育成することで、島根県・山陰の医療水準を高めることに注力しています。

島根大学医学部泌尿器科は昭和52年に島根医科大学に設置され、初代には石部知行教授が就任、講座の基礎が築かれました。平成8年には井川幹夫第2代教授（前 島根大学医学部附属病院院長）が選任され、手術手技や画像診断に関する業績が集積されました。平成24年から椎名浩昭第3代教授（現 島根大学医学部附属病院院長）が就任し、腎不全、泌尿器がんや下部尿路閉塞疾患を中心とした診療と研究が行われました。特に腎移植と透析、ロボット支援手術が推進され、泌尿器がんや再生医療に関する基礎研究の成果が発信されました。医局や同門会はまだまだ拡大途上であり、主宰させて頂く立場として身の引き締まる思いです。

研究に関しては、これまで島根大学で行われてきた泌尿器がんや再生医療の研究を継承し、尿路性器感染症や結石に関する研究を取り入れて成果を発信して参ります。診療においては、ロボット手術に代表される低侵襲治療、新規抗悪性腫瘍薬を含めた泌尿器がんに対する集学的治療や緩和医療、がんゲノム医療の実践、腎不全におけるバスキュラーアクセスの管理、透析や腎移植の安定的な実施、泌尿器内視鏡手術の推進、生殖医療に力をいれたいと思っております。特に患者さんを第一に考え、ご理解と納得が頂ける診療を実践します。教育では、医学部生に対する卒前教育はもちろんのこと、大学院生や若手臨床医と研究や診療を通して共に成長し、進路について一緒に考え、全員がやりがいのある環境で活動ができるよう、責任をもって職務を果たす所存です。

着任にあたり、研究・診療・教育に並び重視しているのは、周囲のひと、組織との良好な関係構築です。まずは医局内での信頼関係、同門会における相互理解と安定的な地域医療体制、そして大学内における泌尿器科の立ち位置の把握と他科との診療体制、他大学や学会内での協力体制、これらの構築をまず行うべきと考えています。その際には常に調和や協調性が必要となるため、「利他のこころ」をもって、「和田の『和』」を意識して臨みたいと思います。そして島根県や山陰地方を中心に全国の医療従事者の方々とともに「朗動」し、住民の方々からも厚い信頼を得られるよう努めて参ります。

至らぬ点にお気づきの際には、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

令和3年8月
島根大学医学部泌尿器科学講座　教授　和田 耕一郎

教授プロフィール